弊社ファイバーレーザー溶接機「SL-2000」は、従来モデルのSL-1500より出力が高く、ダブルワイヤー溶接にも対応しています。今回は溶接未経験の営業スタッフが実際に溶接を行い、アルミ・鏡面ステンレスでどこまでできるかを検証しました。
「ダブルワイヤーって何?」「未経験者でも使えるの?」という疑問をお持ちの方に向けて、スペックから実際の溶接結果まで写真付きで解説します。
1. SL-2000 スペックと特徴
まずはSL-2000の主なスペックをご確認ください。
📋 SL-2000 主要スペック
| 項目 | SL-2000 | SL-1500(比較) |
|---|---|---|
| レーザー出力 | 2,000W | 1,500W |
| 外形寸法 | W540×H930×D925mm | 同等 |
| ガントーチ重量 | 約900g | 同等 |
| 電源 | 単相 AC200V / 220V | 同等 |
| 定格容量 | 10KVA以下 | 同等 |
| 推奨ワイヤー径 | 1.2mm(ダブルで2.4mm幅) | 1.2mm |
| 対応ギャップ幅 | 最大2mm | — |
注目すべき点は、本体サイズとガントーチの重量がSL-1500と変わらないことです。より大きな設置スペースや重い装備が必要になると思われがちですが、SL-2000への乗り換えや併用でも現場環境をそのまま使えます。また、単相200Vで動作するため、特別な電気工事が不要です。
2. ダブルワイヤーとは?
ダブルワイヤーとは、通常1本で行うワイヤー送給を2本同時に行う溶接方法です。弊社では1.2mmのワイヤーを2本使用するため、実質2.4mm幅のワイヤーが溶接部に供給されます。
主なメリットは以下のとおりです。
- ギャップへの対応力が上がる(最大2mmのギャップを埋められる)
- 肉盛り量が増えるため、厚物や強度が必要な部品に適している
- 車体部品・構造部材など、強度重視の溶接に有効
3. まずSL-1500 vs SL-2000で鉄3.2mmを比較
ダブルワイヤーの前に、まずシングルワイヤーなしで鉄3.2mmを溶接し、SL-1500との出力差を確認しました。
SL-1500(1,500W)の結果
SL-1500(1,500W)でワイヤーなし溶接。溶け込みは約7割程度。
1,500Wでは溶け込みが約7割程度で、完全には貫通しませんでした。
SL-2000(2,000W)の結果
SL-2000(2,000W)でワイヤーなし溶接。溶接部が剥がれないほど強力に接合、下の台まで貫通。
2,000Wでは溶接部が剥がれないほど強力に接合され、下の台まで貫通するほどの溶け込みが得られました。
✅ SL-2000の対応板厚まとめ
・ワイヤーなし:鉄・ステンレス 最大4mm(裏までビードが出る)
・ワイヤーあり:鉄・ステンレス 最大5〜6mm、アルミ 最大約4mm
4. ダブルワイヤーでアルミ3mmを溶接
次に、SL-2000のダブルワイヤーでアルミ3mmの隅肉溶接と角溶接に挑戦しました。
アルミは鉄・ステンレスと比べて反射率が高いため、出力を1.3倍程度に上げて溶接します。SL-2000の2,000Wのパワーがここで活きてきます。
アルミ3mm 隅肉溶接
アルミ3mm 角溶接
溶接後の仕上がり。歪みの影響もほとんど見られなかった。
スパッタも少なく、ワイヤーが均一に溶け込んでいく様子が確認できました。溶接後の歪みもほとんど見受けられず、アルミ薄板へのダブルワイヤー溶接の有効性を実感できる結果でした。
溶接未経験者が行っているため、溶接箇所が均一でない部分もありますが、溶接条件(出力・速度)の最適化でさらに綺麗な仕上がりになります。
5. ダブルワイヤーで鏡面ステンレスを溶接
続いて、同じく1.2mmワイヤー2本を使い、鏡面ステンレスを溶接しました。鏡面は熱影響が表面に出やすい材料ですが、結果はどうでしょうか。
鏡面ステンレス ダブルワイヤー溶接
溶接部の拡大。歪みへの影響はほとんどなし。
熱影響は鉄・ステンレスと比べると若干大きく感じられますが、歪みへの影響はほとんどありませんでした。熱が入りすぎた箇所については、ワイヤースピードを上げるか、レーザー出力を下げることで、より綺麗なビードに調整できます。
2本のワイヤーを投入しているため、厚みのある材料でも十分な強度が得られます。車体部品の製造や強度が必要な部品にとって、ダブルワイヤーという選択肢は非常に有効です。
まとめ
今回の実践レポートで確認できたポイントを整理します。
| 検証項目 | 結果 |
|---|---|
| SL-1500 vs SL-2000(鉄3.2mm) | SL-2000は完全貫通・強力接合を実現 |
| SL-2000 対応板厚(ワイヤーあり) | 鉄・ステンレス 最大6mm / アルミ 最大約4mm |
| アルミ3mm ダブルワイヤー | スパッタ少・歪みほぼなし・均一な溶け込み |
| 鏡面ステンレス ダブルワイヤー | 歪みへの影響ほぼなし・強度十分 |
| 未経験者による操作 | 条件調整で実用レベルのビードを実現 |
SL-2000は2,000Wのパワーとダブルワイヤー対応により、厚物・アルミ・鏡面ステンレスを含む幅広い材料に対応できます。熟練の溶接工がいなくても、条件設定さえ適切であれば未経験者でも安定した溶接が可能です。
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